Masa安藤の「アラスカで独り言」



<   2009年 08月 ( 4 )   > この月の画像一覧


バトルオブアリューシャン

新谷暁生(しんやあきお)という方の書いた「バトルオブアリューシャン」という本を、野営飛行家のリッキー湯口が2年ほど前にしろくま文庫に置いていった。

新谷氏は北海道のニセコで民宿を経営したり、カヤックガイドをし、雪崩の危険から人々を守ろうと運動を続けながら、世界中の山を登り、海をカヤックで移動したりしているアドベンチャリストだ。

彼がアリューシャンに行く前後の宿をしろくまが手配した事もあるので全く無関係ではないのだが、恐れ多くてお会いしたことはない。

しかしこの著書のバトルオブアリューシャンの部分にある、アリュート人に対する彼の思いが、率直な言葉となって語られると、心に深く突き刺さる。

彼の口調が情景をいっそう印象強く自分の脳裏に焼き付ける・・・・。

今回ふとしたきっかけで、この本を再度読み直し、再び彼の訴えを耳にした。

アリューシャンで戦死した19歳の若きパイロット古賀忠義一等飛行兵。彼はアクタン島ブロード・バイトに不時着したのにも関わらず、着陸のショックで命を失った(そのため、零戦は米軍の手に渡りゼロの秘密が知れ、そのため多くの米国軍人が命を救われた)。この時の戦いがアメリカでは「バトルアブアリューシャン」と呼ばれている。

アリューシャン列島は日本と米軍の戦いの場であったが、同時にアリュート人の居住区でもあった。しかしアメリカも日本もアリュート人たちの事はほとんど気にかけていなかったようだ。アメリカはアリュート人を収容所に送り、ドイツ兵捕虜以下の扱いをしたという。日本軍もアッツ島を占領して地元アリュート人を捕虜とした。どちらの国からも敵扱いされた訳だ。

その後、戦争が終わっても彼らは故郷に帰る事を許されなかった。アラスカ・ネイティブたちのほとんどは故郷の土地を返してもらい、返せなかった分は金をもらった。しかしアッツ島アリュートは土地には帰れなかった。と新谷暁生は語る。

今やアリュート人でさえ航行しないアリューシャン列島の危険な大波の中を命を賭してパドリングしながら、そんな事を考え続ける新谷氏の心の叫びが自身の心に直接訴えてくる。

彼は私が知る限り、これまでほとんどの人たちが目をつぶり、知らん顔をしてきた「環境保護、自然保護の名の元に行われている人権無視」についてこの著書の中で訴えていた。

「地球温暖化」という言葉が浸透しきっていて、反対意見を言おうものならバッシングされそうになると聞く日本(アメリカではもうそういう傾向はほとんど無い)。エコロジスト団体の多くが、覇権主義者と変らぬ、弱者に目を向けない団体に変っている。

ーーーー金儲けの手段として「環境保護」を利用しているものたちは人々が環境保護を唱えてくれなければ儲からないのだーーーー

ジェームズクック船長が「堂々として威厳のある人々」と評した「アリュート人」は「カヤック文化を失った」と新谷氏は言う。

「ロシアとアメリカがそれを奪ったのだ」と・・・・・。

日本も結果的にその片棒を担いだと言える。

1万年続き、精緻に発達していたアリュート人たちのカヤック文化が、第二次大戦の犠牲となり、消滅してしまったのだ。

カヤックを愛し、カヤックを知り尽くし、カヤックの形状やパドルをその海に合わせてリモデル使用と努力を続ける彼にとってそれは心から悔しいに違いないのだ。

近いうちに機会を作ってこの事について調べてみなければ、と強く思う本であった。

しろくま

*******************************************
ところでアラスカの氷河の河口で崩落する氷塊は3万年〜1万年前まで続いた氷河期の頃の氷ではない、アラスカは氷河の進度が早く、早いものは200〜300年で氷原で形成された氷河が河口まで流れ着くと研究者は述べている。ということはアラスカの氷河の前の海に浮かんでいる氷塊の年齢は数百歳から、古くても1000歳には満たないと考えて良いであろう。
[PR]
by 814690 | 2009-08-29 13:12

高橋歩さん、しろくまオフィスへ

高橋歩さんという人がオフィスを訪ねてきた。

最初に来られたのは10年前の新婚旅行のときで、今回は2度目だ。いまはデイズインの裏でマイペースな展開をしているしろくまオフィスだが、なんとその時はヒルトンホテルのアーケード内にあった (気持ちは超上向きだったからね)。

その時の彼の言った「新婚旅行で2年旅をしていて、旅の終わりにアラスカに立ち寄った」という言葉の「新婚旅行で2年」が印象的だった。

旅の終わりをアラスカで、とする人は多いし、旅を2年続けている人は何人も会ってきたけど。だけど、「新婚旅行」で2年は最高だなぁ・・・・。と覚えていたんだ。

それに「出版社をやっていたけど友人に譲って旅に出た」というところも気になっていた。

今回初めて検索すると「自称自由人・起業家」となっていた。
お会いして話をすると、この人は思考が自由で、自分の思考に任せて行動しようと努める人間であることが分かった。

「『~しよう』(~したいではない)という意志があればそれはできる。」ということが自然に身についている人である。

普通の彼の年齢の人なら躊躇してしまうような内容のことを自然に話題に取り入れて話をする。



こ奴できる・・・・。という身構えを持つ代わりに、相手のペースにはまって行く心地よさを感じていた。

話している間に4時間くらいがあっという間に過ぎた。

それから一晩過ぎて、2冊の本を読ませていただいた。

「イツモ。イツマデモ。I love you Always & Forever」と「ラブ&フリー Love & Free」。

読みながら思った。

彼は詩人だ、旅する詩人だ。吟遊詩人だ。

俺が20代のころにアラスカに来て感じたり、考えたり、気がついたりしたことを、彼も26歳の新婚旅行で、世界を旅しながら同じように感じ、思い、気が付いている。そのディープさは彼のほうがかなり上のレベルに思うが、自己の感受性に訴えてくるものを感じ取る精神は同じなんだな、と思った。

彼はそれを「表現者」として人々と分かち合うことができる。それが彼の持つ才能なのだろう。彼の役割はそれを果たすことなのだろう。

だから、「自伝を出版したい」という思いを持った時に、「自伝を出版社に持ってゆく」という一般的な行動をとらず、「出版社を作る」という自由な発想と行動ができたのだろう。まさにコロンブスの卵である。

彼のことを考え、今の自分の役割を再認識できた。自分はここアラスカで、アラスカの素晴らしさを旅人たちに紹介し続け、旅人一人一人が「自分のアラスカ」を持つためのお手伝いをさせていただいているのだ。

もちろん最初にアラスカを知るのは、媒体を通しての「誰かのアラスカ」なのだが、それを自分のものにしてゆくための手伝いをしたいと思っているのだ。その「誰か」とはもちろんガイドブックであったり、星野道夫の写真であったり、植村直己の本や、龍村仁監督(ガイアシンフォニー)とか誰かのブログや、リッキーの航空写真やDVD、そのほかジョン・クラカワーやジャック・ロンドン、新田次郎などのことだ。 
しかしその後自分自身がアラスカにきて自分でアラスカを体験することにより、アラスカが現実のものとなる。

「自分のアラスカ」が手に入るのだ。

2度来れば自分のアラスカのレベルも上がる。奥行が増す。
1度目の自分のアラスカはパッケージツアーなど安易なものでもいい。でもアラスカは技芸の道同様かなり奥が深い。それを極めたいと思っている人もいる。そういう人たちすべての手助けができれば、と思っている。

実は昨日まで「自分がフィールドに行けないからと言って悲しむ自分」がいたのだ。正直言うと、そんな気持ちが出てきて悶々とする自分が心の片隅で呻いていた。

その呻いていた自分が心の中で「スッ」と立ち上った。

自分がアラスカの地に誘(いざな)ったその旅人がそこに行けるのは俺の手伝いもあってのこと。彼のそして彼女のアラスカ度が増すことが自分の喜びなのだ。

高橋歩との再会は、俺にそれを再確認させてくれた。

ありがとう!!

しろくま
[PR]
by 814690 | 2009-08-19 02:33

北極圏に冬が来た

ノーススロープで調査をしている国際北極圏研究センター勤務の友人から便りが届いた。

降雨が降雪に変わり、一面の雪景色だそうな。アンカレジの山もそろそろ雪が降ってもおかしくない時期になってきた。夜空には星が3つ4つ輝くようにもなってきたし、オーロラが見れるじきになるのも時間の問題のようだ。


d0143907_21591738.jpg

[PR]
by 814690 | 2009-08-12 21:59

テノール佐野さんアラスカへ

しろくまの交遊歴は深い。ほとんどが間接的なものなのだが、改めて振り返ってみると結構知る人ぞ知る人物と交流がある。

まず、しろくまの射撃の師匠は日本のガンマニアならきっとよく知っている、ウッディ小林さんだ(月刊ガンなどに記事を連載中)。



そしていとこの恵ちゃん。d0143907_10234130.jpg

単に父親の妹の娘で、自分とタメだと言うだけだが、日本を代表するフリーダイビングの現役選手だ。

松本恵公式Blog http://www.plus-blog.sportsnavi.com/bt-meg/

それとその息子の松元國士君は、クラヴマガという護身術の先生で、テレビにも出演している。
http://www.kravmaga.co.jp/

次に私の剣友で兄弟弟子の有馬さんは昨年の教職員剣道大会で昨年40ン歳で全国第3位になった強者剣士で、今自分が一番勝負したい相手であるし、

カリフォルニアに住むフリージャーナリストの友達の友達が偶然日本を代表するプロ野球投手の木田選手で、一緒に飲みにいった程度だが、一応知り合いだし、

それに文具などもデザインするアーティストのアリタマサフミさんもアラスカ旅行のときにご一緒した。

あとは小説家の鈴木光司さんとも数年前アラスカの取材でご一緒してからの付き合いだ。

そして今回は・・・・、今回は嫁さんの高校の同級生の旦那の佐野さんだ。本当に間接的だなぁ・・・・。

そんな間接的にすごい人を知ってしまったのだ。日本を代表するテノール歌手で、イタリアを始めヨーロッパでも大活躍している国際的オペラ歌手・佐野成宏(しげひろ)さんその人である。

ブログ http://shigehirosano.com/weblog/
ファンクラブホームページ http://homepage3.nifty.com/ssfc/
公式ホームページ http://www.shigehirosano.com/
講演会ホームページ http://www.sanopark.net/

でかいのにすっごいソフトで優しくてすてきな人だった。

あんなに光り輝く声が出るのに、話すときはとても穏やかに静かに話す。

実は先週末、剣道の講習会を主催したのだが、そこで呼吸についてかなり稽古した。

それでまだ呼吸について考え続けており、その流れで呼吸に付いて話しかけたら、やはり話に乗ってきて、レベルの高いプロ歌手のレベルの高い呼吸と発生の秘伝を話してくれた。これは自分の武術レベル向上に直接役立つヒントとなり得る内容だった。

多大に感謝感激雨霰である。ブログを覗いたら、しろくまのことも書いてあった。これも感激の極みである。

佐野さんありがとう!!

しろくま


アラスカ鉄道の駅で荷物を預けデナリ公園へ出発直前のテノール佐野さんと奥さんの美香さんと甥っ子の大成君。良いお天気になりますように!!
d0143907_10163420.jpg
[PR]
by 814690 | 2009-08-06 10:55


アラスカ生活mo30年! アラスカが大好きで、そのアラスカの素晴らしさを一人でも多くの人に知ってもらいたいと願ってやまない男、しろくま代表:Masa安藤のブログです。
カテゴリ
以前の記事
フォロー中のブログ
リンク
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧